「…萌……先輩…?」 「………!」 うずくまったあたしに、誰かが話しかけてくる。 でもこの声はわかってたんだ。 この声は、綾斗くんだって。 「綾斗くん……っ」 「先輩!? どうしたんですか!?」 あたしが顔をあげると、綾斗くんは左手をあたしの肩に乗せ、右手であたしの頭を撫でた。 「綾斗くん……わかんないよ…、 何で涙が出るのか…わかんないよ…。」 「先輩……」