「そ…ですか……。」




女の子は泣きそうになりながらその場から去っていった。



その背中をじっと見ていると、




「萌ー?何してんだよー?」



「へっ!?」




あたしに気付いた真紘が、あたしを呼んでいた。




「いつからそこにいた?」



「い、今!」




さっきの話は、きっとあんまり聞いちゃいけない話だと思うから、



あたしは黙っていた。



真紘は特に不思議がることもなく、『ふーん』と言っていた。