怒りたいのは、あたしの方だ。 「約束してたからだしっ!! 本屋なんか行ってない!!」 「………何で嘘ついた…」 「……え?」 「何で俺に嘘ついたんだよ」 また、一段と低い声が聞こえてくる。 だけど真紘の顔は、怒ってるようには見えなかった。 何で…… 何でそんな…切なそうな目であたしを見るの…? 「真紘には…言いたくなかったからだし…」 「言いたくなかったって…、 何かやましいことでもあるわけ? もしかしてアイツと付き合ってんの?」