「わぁ~、千尋くんに真紘くんだぁ!」 「ひゃあっ!カッコいい~っ!」 「誰か待ってるのかなぁ?」 ………おはようございます。 あたし、来栖萌。高校2年生。 あたしの朝は、 ―――女の子の声から始まる。 「またか…」 はぁ…と溜め息を吐いて、あたしはベッドからゆっくりと体を起こし、 フラフラと洗面所に向かう。