好きな人の、好きな人。

目が少しだけ熱くなるのを感じる。

それにつられたみたいに、鼻の奥がツーンとするのがわかった。


やばい。

でもここで泣いたら駄目だ。


二度も泣き顔見られたくない。


それは、大地に頼ってしまっているようで。


「絵美」


低く、甘い声は私を支配させる。

だから大地をなに、って意味で私は見た。


だけど綺麗で見抜くようなその目は、怖くて視線をそらした。


そのそらした先に、雄大と乃愛が見える。



その二人は何を話しているのかわからない。


・・・けど。

表情と動きだけで、それをなんとなく予想することはできた。