好きな人の、好きな人。


大地は、なんて言うけど。

絶対結構モテてるよね。


学年一って、相当じゃん。


「でも、えっ?なに絵美。大地くんとまわるの?」


「・・・まぁ・・・ね」


大地が助け舟を出してくれたし。

一人も可哀想だから、まわろうかな。


「そうなんだー。残念。じゃあ絵美たちも楽しんできてね」


「うん。そっちもね」


そんなことを話してると、頭が軽くなる。


「俺、そろそろクラス戻る。あとで来るから」


・・・つまりは、待ってろってこと・・・?


そう聞く前に、大地はもう行ってしまった。


「驚いた。絵美、大地くんと仲いいんだね」

「別に。そんなんじゃないよ」

「だけど見た!?超かっこよかったねー。近くで見られて嬉しい」


なんてまだ大地が去っていったドアを見つめている。