好きな人の、好きな人。


そんなことを話していると。

「瑠依~!」

そんな声がどこか遠くから聞こえた。


「あっ・・・私呼ばれてるから行くね」


「おー。いけいけ」


「ひっど。まあ恋愛頑張ってね」


「おう。超頑張る」


「応援してるよ」


「サンキュー」


こんなやりとりを続けてから、手を振りながら瑠依ちゃんは去っていった。


〝応援してる〟そんな言葉を、瑠依ちゃんはなんて簡単に言うんだろう。


私はいえなくて、困ってるのに。



だから、どうしても。

「好きな人って・・・乃愛でしょ?」

そんな言葉を止めることが出来なかった。


視界いっぱいに地面が入っていた視線を雄大に向ける。

そこで見えるのは、驚いた表情の雄大。


「あたり?」


「う、うん・・・。バレてたんだな」


「まぁね」


「やっぱ絵美だな。なんでも見抜かされる」


「雄大がわかりやすいだけ」


なんて私は笑った。

すると雄大も苦笑いを浮かべた。