好きな人の、好きな人。


なんとか急いで、教室のドアを開けると予鈴。

タイミングピッタリ。


私は安心しながらも、席へ向かう。

私の前の席の乃愛も皆に笑顔をふりまいて、自分の机の上に鞄を置いていた。



「今日珍しいな。いつもならギリギリとかねぇのに」


そんな言葉は隣の席から聞こえる。

私の席は窓際で最高の席。


前は乃愛で、そんな隣は・・・・・・雄大。


別れたの、つい最近なのに。


そう思いながらも、私は席に着き隣を見る。

笑顔でそう言っていた。


「うん・・・ちょっと、乃愛と話がはずんじゃって」


私も笑うしかない。
笑顔でそう言うが、きっと引きつっていただろう。



・・・・・・だって、雄大はいい奴すぎるんだよ。