好きな人の、好きな人。


「よくできてんじゃん!水本ちゃん、俺のうまくない!?」


やっぱり雄大。

私と瑠依ちゃんの肩の間から顔を出して、看板を覗き込む。


・・・ちかっ!?


まぁうん。
うまいね、逆の意味で。


「あーうん。目立つよ、うまいかどうかはわからないけど」


「ひど!それ絵美にも言われたんだけど」


「うそうそ。頑張ったっていうのがわかるよ」


「やっぱうまいっては言わないんだ!?」


瑠依ちゃんて、こーゆーフォローとかなれてるんだ。


接し方がわかってるっていうか・・・女の子っぽいっていうか。

私とは大違いだなぁ。



「絵美ちゃんって、好きな人いるの?」



いつまでも騒がしい教室の中で、そんな瑠依ちゃんの声ははっきりと聞こえた。