好きな人の、好きな人。



きっと私は弱いんだ。

弱虫で、好きな人の好きな人ですら素直に応援できないなんて。


少し泣いていると、自然と涙が止まっていった。


本当にこの人には感謝してる。


私は顔をあげて言った。


「ありがとう」


自分なりに精一杯微笑む。


「いーえ」


と素っ気なく返事するこの人。

・・・ん?
この人?


あ。名前聞いてないじゃん。


「あ、ねぇ・・・名前は?」


「雄大から聞いてねぇの?」


「うっ・・・まぁ」


「あんた雄大一筋だったもんなー。絵美?」


「っ!?なんでっ・・・知って!?って私言ったっけ?」


「やっぱ馬鹿だな」


「ばっ・・・!?」


「雄大の言うとおり」


なんて笑っている。

え、なにこの人。


私を馬鹿にした・・・!?