好きな人の、好きな人。


でも、雄大の友達が口にした言葉は予想とは全然違っていた。



「お前の友達も、きっとそうなんじゃねぇの」



・・・私の友達?

乃愛のこと?


「乃愛・・・?」


「そ。友達の幸せ願うだろ」


「うん、そうかも」


私だって、できれば乃愛の幸せ願いたいよ。

雄大じゃなければ素直に願えてたはずなのに。


「っつーか人を好きになるってのはさ、すごいことって俺は思うんだよね」


「なんで?」


「人を思える心があるから。人間誰にでもあるものだけど、そのために必死になったりできるのはすごいと俺は思う」


「・・・っ」


「だから、それは無理して諦めなくてもいいと思うぜ」


「うん・・・」


次第に登校してくる生徒が増えていく。


いろんなところであいさつが飛び交い、賑やかになってきた。




・・・そんなところで、涙が溢れた。