好きな人の、好きな人。


「でもっ!」

突然乃愛が明るく大きな声を上げて、テンション高めに言ってくる。


それに驚く私に気にせず、乃愛は話を続けた。


「私はねー新しい恋をするのがいいと思うんだよね。失恋の傷は新しい恋で癒せってね!」


なんて、超ノリノリな乃愛。

いや・・・そんな早く忘れるのって、無理だってば。


目を輝かせて、私に人差し指を指してくる乃愛に言えない。



けど、そんな乃愛は恋愛とか・・・しないのかな?


「そろそろ行くよ。もう予鈴鳴っちゃうでしょ?」


って言いながら、私は校舎へと足を進める。


ふと、斜め前を見る。

そこには、もう雄大とその男友達はいない。


「あっ、絵美ー!ちょっと待ってよー!」


乃愛が焦って追いかけてくるのが分かる。


本当乃愛って可愛い。

しっかりした一面もあれば、それより可愛いところもある。


そんな乃愛に毎日癒されている。


そう思うと、自然に頬が緩んだ。