好きな人の、好きな人。


「自分に嘘つくほうが、辛くね?」

もっともなことを言う雄大。


それは分かってる。

自分に嘘なんかついてない。


・・・だけど、これは言ってはいけない思いなんだ。


「なぁ」


にしてもしつこい。

何回もそういわれると、そのこと考えるしかなくなるじゃん。


そんなこと思いたくないってのに。


「・・・うん。まだ好きだよ」

「やっぱな」


その言葉が分かってたかのように言う。

もうここまで言ったら止まらなかった。


誰かに相談したかったんだ。


言いたかったんだ。


一人で溜め込むのは辛いから。

親友の乃愛にもいえないから。


「好き・・・なんだけどさっ・・・。雄大好きな人いるって。しかも、その人わかっちゃったんだよね」


「お前の身近な人だろ?」


「っうん」


知ってるんだ。

だから私のことも知ってるんだ。


なんとなく、理解できたけど。