好きな人の、好きな人。


ていうか、顔あんまり近くで見てなかったんだけど・・・超カッコイイ。


この学年にこんなカッコイイ人いたんだぁ。

初めて見たんだけど。


っていうか、何気に気まずくない?

雄大じゃなかっただけ、マシなんだけどね。


その人は私の前まで来て足を止めた。


・・・っえ?

身体が勝手に硬直した。


「なぁ」


低く甘い声が静かな校舎内に響く。

うん、見た目と声一致。



いきなり話しかけられたのに驚きながらも、早まる鼓動を抑えて声を出す。


「わ、私っ?」


「うん」


「なっ・・・何?」


「お前ってさ、雄大の元カノだよな?」


「っ・・・」


その話だけは、ふれられたくないんだけど。

ものすごい気にしてしまうから。


元カノってだけでそれで関係が終わったような気がしてしまうから。