好きな人の、好きな人。



なんか、今まで信じられなかったことが、言葉にするだけで現実味が出てきちゃうよ・・・。


いやでも、これで正解。

乃愛には言っといて良かったよね。


私の心は大きく悲しみに包まれていく。


いつか別れはあるものだけど。
やっぱり、辛いよね・・・。



そんな私の心とは裏腹に、周りは賑やかだ。


いろんなところで挨拶が飛び交っている。


でも私には、明るい笑い声なんかも、遠く感じる。



「・・・そうなんだ。なんか、ごめんね?無理矢理言わせちゃって」


「いいの。言って少し、楽になったから」


私は笑ってそう言った。

やっぱり乃愛には私の気持ち、分かっちゃうのかな。


だけど、初恋だっただけに辛いかもしれない。


立ち直るのなんて、時間がかかるかもしれないんだ。



「でも今すぐに雄大くんを忘れろ、なんて無理な話でしょ?
だから、少しずつ悲しみを消していけばいいと思うんだ」


優しい声で、乃愛が言った。

少し鼻の奥がツーンとするような感じは、少しずつなくなっていく。


・・・・・・乃愛といると、安心するんだ。