好きな人の、好きな人。


その後を、雄大が丁寧になぞっていく。

・・・でもなんで手伝ってくれたりなんかしたんだろう。


今はもう彼カノでもないのに?


そんなことするから、わかってるのに抑えが聞かなくなるんじゃん。


乃愛のことが、好きだから。


そんなことはもう知ってるっての。



そんな考えが私の頭の中を埋め尽くす。

そしてゴチャゴチャになる。


「絵美、できたけど」


そこで私はハッとし、床の上にある看板を見た。


「・・・うん!バッチリ。雄大もこれでいいよね?」

「いいんじゃね?意外とうまくかけたと思うし」


うんうん。
我ながら、上出来だ。


私はつい偉そうに首を縦にふり、何度と頷いた。


「じゃあ、あとはまわり?いろいろカフェっぽいのかいてけばいいんじゃない?」


「そーだな。てか勝手にいいのか?」


「あとは私達に任せるって。どうせなら、文字だけより絵とか描いていったらいいんじゃないかな?ってね」


「そーゆーときだけ使えるよな、絵美の頭は」


雄大が言うその言葉は、少しだけムカっとくる。

負けずに私は言い返した。


「そーゆーときだけ使えないよね、雄大の頭は」