好きな人の、好きな人。


私たちだけなのかな?
こんなに緊張するのって。


まあいいや。

私は下書き係。
シャーペンを手に持ち、シャーペンの先を看板の上に近づけていく。


握り締めているシャーペンがだんだんと汗ばんでくるのが自分でもわかった。


「おい、震えようがはんぱないぞ」

「っ知ってる!」


私は今、真剣なんだからね。

勉強でも授業でも。
こんなに真剣になったことはないくらいに、真っ白な看板を睨みつける。


そして、シャーペンの芯を滑らせた。


『2-5カフェ』

それを頭の中に描き、イメージする。



そして〝2〟を書いた。


「・・・ふは、危うく文字までブレるとこだった・・・」


「ちょっと歪んでるけど」


「もーそれはなぞるときに、フォローすればいいでしょ!・・・てことで、雄大よろしくね」


「おい!」