好きな人の、好きな人。



そして、私は席に着く。

「・・・はぁ」


任せる、ねぇ。
本当に私でいいんだろうか。


「どうした?絵美」

「あ、雄大」


滅多に話しかけない、というか話しかけづらいかな?って思ったけど。


・・・以外と話しかけてくるなぁ。雄大。

付き合う前と全然変わらない。


そりゃそうか。
恋愛感情なんてもうないから。


私と雄大の間には。


ズキンッ、

心のどこか、奥深くがズシッと重くなり痛む。



でも私は表情にはあまり出さないようにしてる。


一瞬顔を歪めてしまったが、笑顔に素早く切り替えた。


「えっとねー、看板書きを頼まれたんだ」


「お、すげぇじゃん」


「私でいいのかなって」