好きな人の、好きな人。



そんなことを思いながらも、私は乃愛と一緒に校門へと足を進める。


「私、寝不足でさ」


なんて言いながら、パッチリ二重の目を擦っている。


やっぱり乃愛も一緒なのか。


なんか、乃愛とは気があっちゃうんだよね。

たまに食い違うこともあるけど。


「だよね、最近私も起ききれないんだな~」


「うんうん!寒いし!」


「本当だよ。今から冬だって言うのに・・・」


なんて話している途中、校門をくぐったと同時に


「あっ、」


何かに気付いたような、乃愛の声が隣から聞こえた。


「どうした?」


私は尋ねてみると。


「あれ、雄大くんじゃない?」


って言いながら、乃愛は斜め前の方向を指差す。


私は視線でその指を辿った。



・・・その指の先には


・・・・・・楽しそうに男友達と笑ってる、雄大の姿。



キュンとときめいてしまうと同時に、あの切なさもよみがえった。