好きな人の、好きな人。


学校はもう目の前、ってところで走るのをやめ、歩く。


私はたくさんの酸素を肺におくった。


「あ、絵美?」


後ろからそんな声が聞こえる。

・・・声だけでわかる。
この声は―――――――――


「・・・雄大」


―――私の、大好きな人なんだもん。

私は振り向こうかな、とか戸惑ったが、今更振り向かないなんて・・・あっちも変に思うよね。


私は勇気を振り絞り、なんとか後ろを向いたのだ。


・・・・・・そこには、前と変わらない笑顔で立っている雄大の姿。


結局は雄大、私のこと好きじゃなかったんだよね。

・・・なんか悔しいな。