好きな人の、好きな人。


「もうっ!なんで起こしてくんないの?・・・遅刻寸前だよ」

私が言うと、

「何度も起こした。でも絵美全然起きないし」

なんてお母さんが呆れてそう言った。


「ほら、トースト食べる?」って、トーストを差し出してくるけど。

今はそんなの食べる時間ないっての!


いらない、と言いながら私は玄関へ向かう。

靴を急いで履く。



そして勢いよく、家を飛び出した。

「いってきますっ」


走っていると、少し寒いが・・・気持ちいい。

すっきりする。


冷たい風を受けながら、しばらく走っていると・・・学校が近づいてくる。

少しずつと、見えてきた。