好きな人の、好きな人。


そんな乃愛に、悔しくなってくる。

「・・・本当に・・・いい人だなぁ」

なんて言葉を小さめに呟いた。


もう、学校行きたくない。

・・・だけど、乃愛や雄大に会いたいって気持ちはあるんだよね。


雄大への想いは、恋は・・・もう叶わないけど。届かないけど。


それでも、好きなんだ。



ふと、時間が気になり、部屋の時計にチラッと目をやる。

7時30分ときっちり表示されている。


「・・・えぇっ!?」

その数字に驚く私。


そして私はあたふたと制服に袖を通し、スカートのチャックを閉める。

カーディガンにも袖を通しながら、乱暴に鞄を掴みながら部屋を出た。


そして慌しく、リビングのドアを開ける。


「ちょっと・・・お母さん!?」


「え?あ、絵美やっと起きたのね」


なんて、のほほんとしたような雰囲気で言っている。