好きな人の、好きな人。



この後、私は慌ててトイレへ向かう。

そして勢いよく蛇口をひねった。


水が次々と飛び出した。

私はその水を少し手ですくい、目を閉じ瞼に当てた。


それを何度か繰り返して、目を拭いて、目の前にある鏡を見る。

・・・ハレはなんとか、治まったようだ。


「はぁ、」


今日はなんかついてないな。

そう思いながら、教室へ向かおうと足を出す。

その瞬間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


「やばっ」


昼休みから戻ってないから、多分乃愛心配してるかもな。

なんて思いながら足を急がせる。


そうしているうちに、既に教室の前だった。


震える手でドアを開ける。