好きな人の、好きな人。


今になって、思い出す。

あの二人を。

「私も結構・・・本気だったんだけどな」

そんな言葉ふと、ポツリと漏れた。

すると鼻がツーンとしていく感覚が広がり、目頭が熱くなる。


「好き、だったのに・・・っ!」


一斉に涙が零れる。

実感がわいてきた。

あの二人が、両思いってことが。


大地は私の頭を大地の胸のほうへ引き寄せ、私は大地の胸に顔を埋めた。


言葉も溢れる。

なんでか、大地といると安心する。


「あの二人・・・両思いなの」


「うん」


「私だって好きなのに・・・。もう今更遅いってわかってるけど」


「うん」


「私、なにか嫌われることしたかなぁ・・・?」


私の話を真剣に聞いてくれて、優しく頷いてくれる。


「絵美は悪くないだろ。
お前は、頑張ったよ。雄大の好きな人、知っても」


そうだよね。

あのときこうしたかったとか、あのときこうしていればとか。

そう思うことはあんまりない。


やることは、やった。