好きな人の、好きな人。


「うん。でも・・・ありがとう」

ちょっと感謝してる。

キスはビックリしちゃったけど・・・どちらかというと私助けてもらったし。


そんなことを思っていると、

「あれっ?大地くんに・・・絵美?」

「あ、乃愛」


二人を繋いでいるのは手。

その手を見るたび、少しだけズキッとしてしまう。

・・・なれなきゃいけないのに。


「どうしたの、もしかしてデート?」


良かった。キスは見られてないみたい。

少し安心して、胸をなでおろした。


「まあな。雄大そいつが好きなの?」


大地がいきなり口をはさむ。

・・・ていうか、なんでここで聞くんだろう。


「まー・・・。つーかそっちも絵美といるじゃん」


「あー絵美が泣いてるから」


「え?絵美泣いてたの?」


雄大の突然の問いかけに、少し戸惑う。

「ちっ・・・違うよ!泣いてないよ?」