好きな人の、好きな人。


そんな言葉を発したのは、紛れも無く大地で。


「っえ?」


その言葉を理解するのには遅すぎた。

それよりか、気づくのが遅すぎた。


それと同時に、腰をグイっと引かれ、頭を抑えられる。


「・・・んっ・・・!」


あまりに驚いたそんな出来事に、涙は止まった。


頭が回転しない。


それを理解したのは今。

・・・キス、されてる・・・?


でも、なんで?

角度を変えて、またキス。


疑問はたくさんあるが、それを考える暇はなかった。


触れ合った唇が少しはなされる。


それまできつく閉じていた目を、そっと開けた。


もう、終わったかと思ったから。