「やっぱり…なんでもないや」 どうして。 どうして、そんなに泣きそうな顔するの。 「…だから、気にしなくていいよ」 ほら。 そうやって、遥斗は、また私を繋ぎ止めるんだ。 「…え、遥斗…?」 「またな、気を付けて帰れよ」 遥斗は、また眉を下げて、苦しそうに笑う。 止めようとしたときには、遥斗は私に背を向けて歩き出していた。