ブサもさ男の正体!?

しばらく、お互いに沈黙が続いた

先に口を開いたのは竜哉だった


竜哉「愛希・・・。この犬どうしたの」


そういえば、この家族で確か誰か犬が嫌いな人がいたような

もしかして、竜哉・・・?

怖い・・・。

怒るのか・・?


竜哉「ねぇ?ちゃんと聞いてる?」


怖いです・・・。

怖くて後ろ振り返られません

なんて言い訳しようか


愛希「あっ!その子犬ねぬいぐるみなの」

『クゥ~ン』

竜哉「ふ~ん?じゃ、普通のぬいぐるみだったらどっかにチャックあるよね?」


鋭いな・・・。

よわった・・・。


よし!じゃこれならどうだ



愛希「ごめん、さっきの嘘・・・。」

竜哉「だろうね」

愛希「友だちに旅行に行くから預かってって言われて」

竜哉「無理やり?」

愛希「はい」

竜哉「確か愛希の学校はお金持ちだよな?子犬連れて行くくらいどうってことないだろ」


・・・。

そうでした

私の学校お金持ちばっかりでした


しょうがない


愛希「ホントのことを言うよ・・・。」

竜哉「うん」

愛希「そのこ、道に捨てられててさ・・・。グスン」

(嘘泣きです。)

愛希「もぅ、すっごい震えてて 『クゥ~ン、クゥ~ン』鳴くんだよ・・・。」

竜哉「で?」

愛希「そんな、か弱い子犬私には見捨てることができなかったんだよ」


これなら、どうだ

私の迫真の演技!


竜哉「愛希・・・。だったら何でこんなにきれいなのかな?」

愛希「私が洗ったから」

竜哉「いつ?」


いつ・・・。

いつにしようか

家!・・・。でも、私まっすぐ二階に来ちゃったし

学校!

そうしよう


愛希「学校で」

竜哉「道で拾ったんじゃないの?」


あぁ~

何でこの子はこんなに鋭いのでしょうか

こういうときに、ぬけといてよ

ここ、しっかりするところじゃないよ・・・。


竜哉「いい加減、本当のこと言ったら」


竜哉はそう言って、私の目の前のベットに腰を下ろした

でも、正直なことは言わない

だって、竜哉が犬嫌いだったら・・・。

いやだもん・・・。