「昨日は、話も聞かずに、怒ったりして、ごめんな」

オレは上半身の体を起こして、樹里に謝った。

「いいよ。悪いのはあたしだもん」

樹里も上半身の体を起こした。

「それに、あたしだって、亮二が元カノとエッチしてたなんて噂聞いたら怒ると思う」

「樹里の場合は、仕事が手につかなくなりそうだな。オレは何とかこなしたけど」

「確かに。仕事どころじゃないかも…」

樹里の目が潤んだ。

「どうした?」

「想像したら、悲しくなったの…」

「オレも同じくらい悲しかったし、腹が立った」

「うん」