啓介のアパートから、オレの住むマンションまでは、20分くらいの距離。 家につくと、樹里はリビングでソファに座りテレビを観ていた。 いつも通りの樹里。 「おかえり」 「ただいま」 「二日酔いにはなってない? 大丈夫?」 「大丈夫だよ。シャワー浴びてくる」 そう言い残して、風呂場へ向かった。 シャワーを浴びて、リビングに戻るとご飯が用意されていた。 「玉子焼き作ったよ」 樹里が笑顔で言う。 「……」 オレは言葉に詰まってしまう。