――翌日。 「あの、良くしてもらって、本当にありがとうございました」 玄関先であたしはお礼を言って頭を下げた。 お昼過ぎ。 あたしたちは帰ることにした。 「樹里ちゃん、またいつでも、遊びに来てね」 「はい」 「亮二。安全運転で帰るのよ」 「たくっ。運転下手な母さんに言われたくないね」 「失礼ね!」 亮二とお母さんは、仲がいいのか悪いのか。 お父さんは、隣でニコニコしているだけだった。 そして、もう一度、お礼を言って実家を出た。