午後一時、大学の講義は高校と違っていろいろゆるい。この大学だけなのか、それとも高校が厳しすぎるのか。私はいつも、少し遅れて教室に入る。

教室と言ったって、いつもいる高校とは全く違う席が階段状になったとても大きな空間。

周りにいる大学生は、最初は制服を着た私を不思議そうに見ていたけれど、二、三回通う間に特に気にしなくなったように感じる。

200人は収容できるような教室に、生徒はほんの30人程度。

だからか、広い空間で過ごすことのできるこの講義は本当は少し楽しみだったりする。

背中から入ってくる太陽の光が、自然と私をこの空間に溶け込ませてくれる。

午後独特のあの暖かい空気が、どこか古びたこの教室に元気を与えているように感じる。

いつも遅れてくる先生を待っている間、私は机に寄りかかって、休むことにした。

いろんなことに疲れていたのか、その空間が気持ちよかったのか、気が付いたら私は深い眠りについてしまった。