「ネタがなーい。書けなーい!」

私は、小説家を目指す夢見る乙女。
いつかはデビュー。そして、ベストセーラー!なんて高望みしていた。
1話にして、早々詰まっていた。どう展開していけばいいのか分からないのだ。
色んな小説ハウツー本やサイトを読んでも、思い浮かばない。
物語のキャラや設定は思い浮かぶのにー!このままこの子たちを世に出さず、胸に秘めていくだけなんて可哀想!と思っていた。

「小説の神様ヘルプミー!!」

『呼んだ?』

「へあ?」

『呼んだ?っていってんのっ!』

「誰?」

部屋にはどこにもいない。するのは、声だけ…。

「君のノートにいるよ!」

よく見ると自分が落書きしたイラストのキャラが動いている。

「うそ!夢?あははは夢??!」

「小説家志望のくせに、これぐらいビビってどうすんの!僕はユウ!って君が一番よく知ってると思うけど…」

「ゆ、ユウ??!うそ…本気??!」

ありがちに頬をつねったが痛かった。夢…じゃない?

「君、ネタに困ってるよね?」

「うん」

「出来れば、完結したいと思ってるよね?」

「…うん」

「だったら、僕が手伝ってあげる。これから、五つの物語の世界で、ストーリーエッグという卵の中にある物語のアイデアを集め、そして、ベストキャッスルにある紙とペンで君の理想の物語を書き上げるんだ。そうしたら、君はもう1人前の小説家になれるよ!」

「何、そのRPGみたいな設定…」

「しょうがないよ。これは君の出来る限りのアイデアを結集した設定だもの。他の人は、もっと冴えたる設定の試練で、小説家を目指してるよ。」

「他?!他って何??!」

「今世に出てるベストセラーは皆こういう試練を乗り越えて、小説家になってるんだよ。」

「え…そうなの??」

「そうだよ。今、君は同じ道を歩むことになるんだ。ただし、この試練を途中で失敗したら、二度とアイデアを思い浮かぶこともできない。つまり、小説家になれないってことだ。今まで、何人もの小説家志望者が脱落している。君には、その覚悟はある?」

私は考えた。
どっちにしろ、失敗しても、選ばなくても、小説家になれないだろう。
だったら、何も考えず、この道を選んで小説家を目指す冒険が出来たら、それはそれで嬉しいなって…思ってしまうのでした。

「いくよ!私っ、絶対に小説家になるっ!」

「分かった。僕は君のナビゲーターだ。出来る限りサポートするよ!さあ、行くよ!」

目の前が真っ白になった。
これから、小説家を目指す旅が始まるのだった。

この時の私は知らなかった。小説家を目指す者の絶望を…

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あほがき
試練の設定は人によって違います。
小説の才能がある人はもっと素敵な設定で、小説家の試練に挑みます。
素敵な設定ってのは、私には分かりません(・∀・;)