どれだけ走り続けただろう‥。
呼吸がうまくできない。
それでも立ち止まらなかった。立ち止まって、桜の言葉について考えるのが怖かった。

いつの間にか、学校から一駅離れている川の近くまで走っていた。

川‥
蒼は今、何をしてるの?‥どこにいるの!

心の中で莉奈は叫んでいた。
もう走るのも限界だ。

「キャッ‥!」

足元の石段に気付かず、莉奈は転んでしまう。

意識が徐々に遠のく‥

「蒼‥」

そう呟いて、莉奈は暗闇の中に落ちて行った。