完:嘘つきは恋の始まり


「あ……カズ。そうだ、いつからなの?」

忘れてた。

でも“ずっと前から”なんて、やっぱり気になるじゃん。


「ん?んー……まあ、ね。」

「隠さないでよー!気になる!」

「ヤだ!」

やだ?

何その、子どもみたいの。

「……言えないの?」

「いつか、ね。いつか話すから。」

(一目惚れだなんて、恥ずかしくて言えるかよ!)


「ふーん………、ね。絶対だよ?」

「うん。ね。で、どこ行きたい?」

「んー…ご飯食べたい!」

「あーうん。そういえば腹減った。行くか!」