完:嘘つきは恋の始まり


――パタン

旬くんの家から出て、手を繋いで歩き出す。


「ねえ、カズ?」

「何?」

「ごめんね。あと、ありがとう。」

「うん?………俺もありがと。」

「……へ?何が?」

お礼を言ってもらえるようなこと、私してないよ。

「嘘でも、好きだって言ってくれた。」

……何で?

だって、そのせいでカズを傷付けたんだよ。

「…きっかけだったんだ。きっとアレのおかげで、俺たち今一緒にいるんだよ。」

そう、前を真っ直ぐ見ながら話す。



「それと………、好きになってくれてありがと。」

「……そんなっ。私の方が………ありがとね?」