完:嘘つきは恋の始まり


頭から伝わるカズの優しい手が、少しずつ私を落ち着かせてくれた。

「由宇?…なんか喋れる?」

「………うん。ごめん、ね?」

涙を拭って顔をあげると、優しい顔をしたカズがいる。

今、言わなきゃ。

「カズ……。」

「ん?」

テーブルの上にあったカズの手を握る。

驚いたように私を見たカズ。





















「好き。」























カズが好きだよ。

伝わってほしい。

きっとカズのことを傷付けた。

私のことだって嫌いだと思うけど。

カズが好きなの。