完:嘘つきは恋の始まり


結局話せないままもう金曜の放課後。

綾は部活で、1人で教室でただただカズのことを考えてた。


土日がこんなにも嫌だと思うなんて…

早く話したいのに、綾にも心配かけたままなのに。


でも、土日になったら会うことすらできないんだよね。



――ピリリリリリ

ふいに私のケータイが鳴って、慌てて鞄から取り出す。

「………旬くん?」

どうしたんだろ。

旬くんから電話なんてすごい珍しい。

「…もしもし?」

「あ、木下?今大丈夫?」

「うん?どーしたの?」


まさかカズに何かあったとかじゃないよね……?

「綾から伝言なんだけど、明日の10時に学校の近くのミスド…だってさ。」

……へ?