完:嘘つきは恋の始まり


気が付けば由宇のことを目で追ってた。

旬には「話しかければいーのに。」なんて軽く言われたけど…

さすがに俺だって、何もないのに好きな女に話しかけるなんて無理だ。

きっかけを探してたけど…

話しかけられないまま1年が過ぎた。


クラス発表の紙を見たときに、本当に信じられない気持ちでいっぱいになったんだ。

由宇と同じクラス。

周りを見てみれば、由宇が友だちと笑い合ってる。

………きっかけだ。

そう思った俺は気が付いたら「親睦会」をやろうって皆に声かけてて。

由宇が来てくれた時は、心臓が止まるかと思った。



でも話しかけられなくて。

旬に散々言われてたら、由宇から俺に声をかけてくれた。


初めて俺に向けられた笑顔。

心が飛び跳ねたんだ。