完:嘘つきは恋の始まり


家に帰ってベットに寝転ぶ。

考えすぎて疲れたのか、そのまま俺は深い眠りについた。






「あの、大丈夫ですか?」

俺の視線の先には1人の女の子。

お婆さんが重たい荷物を運んでるのを見て声をかけてるみたいだ。


これは……夢?

でも懐かしいな。

俺が1年片思いし続けた女の子。

あの時、誰もが見て見ぬフリをする中で、優しい笑顔を浮かべた君。

心の優しい子だと思った。

ああ、この子とたくさん話がしたい。

俺のことを知って欲しい。
高校に入ったばっかりで名前も分からない女の子。

少しでも俺のこと知ってもらいたくて、実行委員とか進んで引き受けて。

元々の性格もあるけど、友だちがたくさんできた。

そして友だちから聞いた君の名前。


――木下 由宇。