完:嘘つきは恋の始まり


10分くらい歩くとカズは私をベンチに座らせて、すぐ戻ってくるからとどこかに行ってしまった。


頭が混乱してる。

綾と旬くんは何を話してたのか…心配だし。

何よりいつもと違うカズ。

さっきチラっと見えたカズの顔はなんだか辛そうだった。

私何かした?

今日は皆すごく楽しんでたよ?

そうでしょ…?



「由宇。はいコレ。」

気が付くとカズが私の前に立ってサンドイッチを差し出してる。

「え…あ、ありがとう。」

私が受け取ると笑顔でどーいたしましてと答えて横に座った。


微妙な沈黙。

気まずい時間。


なんでこんななってるんだろう。

でも何でか声かけれない。

そう思っているとカズが思いもよらないことを聞いてきた。


「由宇……俺のこと、好き?」