完:嘘つきは恋の始まり


「楽しかったー!」

一通り絶叫系の乗り物を回って時間はお昼をとっくに過ぎていた。


「そろそろ飯いかない?俺腹減ったー。」

とカズがお腹を押さえながら言う。

うん、確かにお腹空いてるかも。

「そーだね…何か食べに行こっか」

そう言うと急にカズは私の手を取って、旬くんに「じゃ。」と言って歩き始める。

「え、ちょ、ちょっと待ってよ!どこ行くの!?」



後ろを振り向くと旬くんと綾が真剣な顔をして何か話していた。

……どうなってるの?





「カズ!ちょっと…速いって。ねえ!」

カズは私の方を見ることなく、ただ手を引っ張って歩いていく、ただひたすら。


カズ。

なんか怒ってる?

私…何かした?