「綾の俺の知らない一面が見れたなー…ってそれが嬉しくて、さ。」
恥ずかしそうに呟く旬くん。
それを聞いて、顔を赤くしながらも嬉しそうな綾。
本当に愛しいものを見る目で旬を見つめてる。
2人はお互い好き。
それが私の心にヒシヒシと伝わってくる。
それに比べて私は?
きっと私は、綾のようなあんな目でカズを見たことはない。
…そうだよね。
だってカズが好きで付き合ってるんじゃないもん。
「由宇!行こっ!」
急に手を繋がれて引っ張られる私。
今のドキッって…何だろ。
「カズ!急に引っ張ったらビックリするじゃん!」
「はやく並ばなきゃ混むだろ?」
無邪気なカズの笑顔。
―――絶対この笑顔を壊したりしたくない。

