完:嘘つきは恋の始まり


前見てなかった!

「あの…すいません!」

そう言って頭を下げると、頭の上から聞き慣れた声が聞こえる。

「渡辺……大丈夫か?」

旬くん!?

バッと顔をあげると、そこには呆れ顔の旬くんが立っていた。

「あ、旬くん。ごめんね?」

そう言うと旬くんはおかしそうに笑い出した。

え?

私なんか変?

「渡辺ってさ、バレー部だししっかりしてそうなのに、実はドジだよな。」

ドジ!?

旬くんにそんな風に見られてたんだ…。

ショックかも。

「ドジで悪かったですねー。」

すると旬くんはさらに笑い出す。

「そんな膨れた顔すんなよ。別に悪いとは言ってないだろ?」