「てかさ~
羽音、一之瀬のことばっか
見つけるよね」
「うん?」
教室に戻ってから
そんなどうでもいいようなことを
口にする実栗
「知ってるやつだから
目に付くだけでしょ?」
「え~?
そんだけなの~?」
これ以外に理由があるのだろうか
「じゃあ実栗は
まったく知らない人が目にとまるわけ?」
「それがイケメンだったら」
あ、そう
「あ~、でもそうか~
普通なら知らない人のことは
見ないもんね~」
それは暗に
自分は普通じゃないって
言っているんだろか…?
まぁ実栗は普通じゃない気がするけど…(笑)
「なぁんだ~
つまんないの~」
「つまんない言うな」
これ以上の答えなんてないでしょ
「まぁいいや」
「実栗、帰らないの?」
SHはもうないから
入学式のあとは各自解散なのに
全然帰る気配を見せない
「うん
忍待ってる」
「あー、そう
じゃあね」
「え?帰るの?」
「うん」
「え~?
一緒に帰らないの?」
「帰らないよ
じゃあね」
「待ってよ~」と叫んでいる
実栗を無視して教室を出る
だいたい何でカップルの中に
あたしが入んなきゃなんないのよ
完璧お邪魔虫じゃん
♪~♪~
そんなことを考えながら
靴を履き替えていると
突然、携帯がなった
実栗からだ…
どうせ文句だろうな~
「もしもし?」
文句ってわかりながら電話に出る
あたしって偉くね?
『暇だよ~』
「知らないよ」
『裏切りもの~』
誰がだ。
「あたしバイトあるし」
『え?
今日バイトの日だっけ?』
「うん」
『じゃあ帰りに忍と行くね~』
「来なくていいよ」
『行くよ!!』
キーン
いつも思うのだが
電話口で大声で叫ぶのはやめてほしい。
「はいはい
じゃあね」
『またあとでね~』
はぁ…
なんか一気に疲れが…
とにかく、のんびりしてたら
バイトに遅れちゃうし急ごう
