雨降って、血固まる。

私は男を睨み付けた。



「やべぇ…。マジたまんねぇ」



男の性癖を満たすだけの効果しか得られなかった。



あぁ、もうだめだ。



そう思った瞬間、私の視界の端っこに鴉が映り込んできた。



鴉は男の髪を鷲掴みにし、頭ごと壁にぶつけた。



「ぎゃっ」



汚い声。



「ギン…」



私はその場にへたり込んだ。



その時になってようやく気がついた。



あぁ、私は…
怖かったのか…



今までにあまり感じた事のないものだった。