雨降って、血固まる。

「この辺の事は知らない」


「そうですか…。では、一緒に探してもらえないでしょうか。ここなんですけど…」



男はそう言って小さな紙切れを私に見せた。



そこには、どこかの会社名と住所が書いてある。



「わかった」


「ありがとうございます」



普通に考えて男の発言はおかしいのだが、その時の私はそれを特に気に止めることもなかった。