「朱莉・・・、さっきはごめんね?

 朱莉のこと、考えたつもりで

 考えてなかった。」


「愛海・・・。こっちこそごめん。

 頼っているつもりで

 全然頼ってなかった・・・、

 愛海のこと。」


「ううん・・・。

 朱莉は悪くないよ。

 あたしがお節介すぎただけ。」


「ちがうよっ!

 愛海が心配してくれてたのに、

 私が・・・。」


「今はこんなこと言ってる場合じゃないよ。

 ・・・ほら。」


「・・・・・・。」


朱莉は巧がいることを忘れていた。


「立花・・・、話・・・聞いてくれないか?」


「・・・・・。」


「朱莉・・・、勇気出して。」


朱莉はさっきまで迷っていたが


今は違った。


「うん・・・、

 私、話聞くよ。」


「ああ、じゃあ場所を変えようか。」


「うん。行って来るね。」


「いってらっしゃい。」


愛海は朱莉を笑顔で送り出してくれた。