重厚で大きな扉の前に、父と腕を組みその時を待つ。
パイプオルガンの美しい音色が結婚行進曲を奏で始めると、その重厚な扉がゆっくりと開き始めた。
教会の入口から祭壇に向かう真っ直ぐなバージンロードの先に、愛おしげに微笑む遼さんを見つけた。
待っててね───
遼さんに微笑み返すと、ゆっくりと瞳を閉じた。
小さく息を吐くと、気持ちを整える。
もう一度ゆっくり目を開けると、皆への感謝の気持ちを笑顔に変えて、父と同時にバージンロードへと足を踏み出した。
マーメイドラインのウエディングドレスに、背丈以上の長さのあるロングベール。歩くたびにそれらがふわりと揺れる様子は、ゴージャスな印象を与える。
歩みを進めると左側に、枝里と真規子の姿が目に入る。
真規子が小さく手をパチパチ叩く横で、枝里が手にハンカチを持ち目頭を押さえていた。ヤダ───
泣かないって決めていたのに、視界が滲み始めてしまう。
グッと涙を堪え前を向くと、今度は右側に雅哉くん、悠希くんたち店の面々が顔を揃えていた。ニコッと笑いかけると嬉しそうに笑いかけてくれるのが、初々しい。
その奥には誠さん陽子さん夫妻。陽子さんが私に向かって小さく手を振れば、誠さんがそれを制してちょっと不満顔の陽子さん。相変わらず仲が良くて、嬉しくなってしまう。
遼さんのご両親が座っている後ろの席には、暁さんと百合さん夫妻。
遼さんのお兄さん、暁さんが今日の挙式に出席してくれると聞いた時、遼さんと二人、抱き合って喜んだのが忘れられない。
でもきっと、百合さんが説得してくれたんだろう。顔はむっつりしたままだけれど、こうやって参列してくれている姿は胸に込み上げるものがあった。



