私の様子に気づいた棚橋さんが、係の人に遼さんにこちらに来てもらうように手配してくれた。
「ありがとうございます」
「いいんですよ。私は今日一日、貴方のためならば何でも致します。さぁ、急いで支度しましょう」
棚橋さんの温かい言葉で、胸が熱くなる。
今日のこの幸せは、いろんな人の気持ちのおかげなんだと、改めて感謝の気持ちでいっぱいになってしまう。
冷めたタオルで顔をゴシゴシ擦ると両手で頬を叩き、一発気合を入れる。
そして部屋に入ってきた美容着付の皆さんや、アテンダーさんに頭を下げた。
「今日一日、よろしくお願いしますっ!!」
私のその言葉で、部屋の中の人々が一斉に動き出した。
流石はプロの集団。
私に構う事なかれ、次から次へと準備を整えていってしまう。
私はただされるがまま。
身体をギュッと締め付けられ、髪はグッと引っ張られ、この状態で数時間……。
せっかく選んだ美味しそうな料理。これじゃあ食べれないよね。
何て余計なことを考えている間に、後はベールをつけるだけの状態まで出来上がってしまった。
「梓さん、鏡の前に移動しましょう」
遼さんが一生懸命探してくれたウエディングドレス。
ドキドキしながら大きな姿見に、自分の姿を映した。



